ここ数年、邦画を観るときは必ず日本語字幕をオンにしています。邦画に字幕を付けることがあるなんて、今まで考えもしませんでしたが、今では字幕がないと内容が追えないことが増えてきました。
ネット上にも「邦画は何を言ってるのかわからない」という人がいて、先日目にしたこのまとめ(https://togetter.com/li/2553776)には、うんうんと頷かされました。まさに自分が感じていることと同じ。特別な意見ではなく、同世代のあるあるなのかもしれません。
Xでフォローしている佐々木俊尚さんも・・・
ネックスピーカーでも限界がある
私は映画を観るとき、ネックスピーカーを使っています。首にかけるだけで耳をふさがずに音を届けてくれる便利なガジェットです。指向性スピーカー(特定エリアへのみ音を届ける)により音の漏れを最小限に、自分だけにクリアに聞こえるようになります。音に包まれるような感覚もあって、なかなか快適です。
しかし、それでも邦画のセリフは聞き取りにくい。モゴモゴしゃべる若い役者の声、セリフをかき消すBGM、やけに抑揚のない言い回し……。耳には届いているのに「何を言っているのかわからない」ということがしょっちゅうあります。
英語の映画なら、聞き取れないのは語学力のせいだと納得もできますが、日本語でそれが起きるとなると、なかなかショックです。
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欧米人の話す言葉は直接的で大声ではっきりしている。というイメージは昔からありがちです。やはり演技や言葉の違いもあるのでしょうか。日本では言葉の裏・気持ち・つながりを読み取ることを視聴者に求めることが多い分、集中していないと理解できないこともあるのでしょうね。
聞こえているのに理解できない
最近、「音は聞こえるのに意味が頭に入ってこない」という場面が増えてきました。日常会話でもたまにあります。「え?」と聞き返すとき、それは音が聞こえなかったというより、言葉が処理できなかったときです。
こういうとき、なんとも言えない情けなさを感じます。「耳が悪くなった」というより、「脳のほうが衰えてきているのか?」という不安。相手は普通にしゃべっているのに、こちらの理解が追いつかない。その遅れを感じると、年齢を突きつけられたような気分になります。
セリフがわからないと動画を止めてスキップバック
ネトフリなどで邦画の視聴中は、字幕をオンにしていても「今のどういう意味だった?」と10秒巻き戻しボタンを連打することが時々あります。字幕がないときはもっと頻繁に止めることになります。

物語の展開や人間関係の描写がセリフに頼っている作品では、1つの言い回しが理解できないだけで、次の展開に置いて行かれてしまうことも。ドラマやサスペンスでは特に致命的です。
字幕がない邦画を観るとき、「観るぞ!聞くぞ!」と気合を入れて臨む自分がいて、娯楽のはずなのにちょっと疲れてしまうこともあります。
若いころとは違う身体の扱い方
こんなふうに、字幕をつける、巻き戻す、聞き直すといった“工夫”が必要になるたびに、「ああ、自分は若くないんだな」と思い知らされます。ちょっとした不便が、じわじわと自分の年齢を突きつけてくるんですね。
昔の自分なら、きっと難なく聞き取っていただろうセリフ。もしくは、あまり気にせずに流していたのかもしれません。いまは、その一言を「なんて言ったの?」と気にするようになりました。
別に、それで映画が観られないわけではありません。字幕をつけたり、巻き戻したりすれば済む話です。でも、その「一手間」が、ちょっとだけ悲しい。なんとなく、「いつの間にか、こういうふうに工夫しないと楽しめない体になってしまったんだな」と気づいてしまう瞬間があります。
変わるのは映画じゃなく、自分のほうだった
昔から邦画のセリフは聞き取りづらいと感じていたわけではありません。きっと、自分の側の変化なのだと思います。作品のせいにしたい気持ちもありますが、実際には、自分の耳や処理能力のほうが変わってきたのでしょう。
こういうとき、文句を言いたくなる反面、「ああ、年をとるってこういうことなのか」と妙に納得もしてしまうんです。身体の不調や、疲れやすさに似たものを感じます。「少し手を加えればなんとかなるけれど、若いころのようにはいかない」——そんな感覚です。
まあ、最近は出来ないことをすぐ年齢のせいにする自分もいて、それも好きではないのですけれど。
まとめ:ちょっと不便、でも工夫すれば楽しめる
邦画のセリフが聞き取りにくくなったのは事実です。でも、それは邦画だけのせいではなく、自分の体や感覚が変わってきたから。そう受け止めるようになりました。
もちろん、不便です。できることなら、巻き戻したくないし、字幕なしで内容をスッと理解したい。でも、そうじゃないからといって映画が嫌いになったわけでもありません。
ちょっと寂しい。ちょっと悲しい。けれど、そのぶん、自分の体や生活に合わせた楽しみ方を探していくしかないんだろうな、と思います。
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